【執筆者】ななほし結婚相談所　代表　柳原 直弥
📘 婚活垢――今の婚活に欠かせないSNSカルチャー

婚活の現場は、結婚相談所やアプリだけではありません。
今やX（旧Twitte）r、Instagram、YouTubeなどのSNSで「婚活垢」を開設し、

✔ 日々の婚活状況を共有
✔ 同じ悩みを持つ仲間と共感
✔ 成功・失敗談から学ぶ
✔ 戦略や心の持ち方を発信

など、多くの婚活者が情報発信・交流の中心として「婚活垢」を活用しています。

しかし一方で、SNSならではの比較思考・承認欲求・情報の真偽不明という落とし穴も存在します。
本記事では、婚活垢を「うまく使いこなす」ためのリアルなメリット・デメリットを、心理的側面まで深掘りして解説します。

🟡 婚活垢の定義

婚活垢とは、婚活に関する情報発信を目的として作られたSNSアカウントのことです。
主に以下のような投稿がされます：

• 活動記録（日々のデート、アプリ体験）

• 心情・悩み（落ち込んだ時や成功した時の心境）

• 婚活の戦略・学び

• 経験談・失敗談

婚活垢の特徴は、「リアルな体験を共有し、共感を得る」という点にあります。

🟡 なぜ婚活垢が人気なのか？

SNS運営側が「つながり・共感・反応（いいね）」の仕組みを用意しているため、
婚活者は、

✔ 自分の活動を記録できる
✔ 同じ目的の仲間と繋がれる
✔ 共感する・される体験ができる

という特徴があります。
この「仲間づくり・承認体験」が、婚活垢の人気を支えています。

🔥 第2章｜婚活垢のメリット

✔ ① 共感・仲間づくりができる

婚活垢最大のメリットは「孤独が消えること」です。

婚活がうまくいかない時、周囲に同じ悩みを話せる人がいないことはよくあります。
婚活垢では、同じような悩み・喜びを共有する人とつながることができ、孤独感が軽減されます。

共感が自己肯定につながり、活動を続けやすくなるという効果があります。

✔ ② 婚活に関するリアルな情報が得られる

結婚相談所や婚活アプリでは教えてくれないような

• お見合いでのリアルな失敗例

• メッセージで刺さる文例

• 初回デートの注意点

• 婚活の“疲れ”対策

といったリアルな情報を、婚活垢ユーザー同士で得ることができます。

こうした“生の声”は、戦略としても役立ちます。

✔ ③ 自分の活動を“客観化”できる

婚活垢で発信することで、自分の活動が「他者からどう見えるか？」を知ることができます。

これは、結婚相談所の活動とも似ていて、客観的な反応を見ることで自分の改善点が見えてくるというメリットがあります。

✔ ④ モチベーションの維持につながる

婚活は長期戦になりがちです。
そんな時、婚活垢で応援・励まし合いのやり取りがあると、それがモチベーション維持につながります。

「今日はいいねがついた」「応援コメントが来た」
これが次の行動のエネルギーになります。

⚠ 第3章｜婚活垢のデメリット

❌ ① SNSの比較思考が婚活疲れを生む

婚活垢には成功談が多く、読んでいるうちに

「私だけ進んでない…」
「みんな順調に成婚している！」
「どうして私は…？」

という比較思考が生じることがあります。

これはSNS特有の心理で、幸せ・成功の極端な発信が目立つためです。

❌ ② “承認欲求/自己顕示欲”が先行する危険

婚活垢は「いいね」「リツイート」といった反応が得られやすいため、

✔ 自分の悩みを大げさに語る
✔ 誰かの反応を求めて投稿する
✔ 他者の反応で自己価値を測る

という状態に陥ることがあります。

これが進むと、本来の婚活目的（結婚）ではなく
「SNSでの反応」が目的になってしまうケースも少なくありません。

❌ ③ 情報の真偽が不明なケース

婚活垢では真実と経験談が混在します。
しかし、

✔ 個人の体験をそのまま一般化
✔ 誤った情報や誇張が蔓延
✔ 結果だけを切り取った投稿

といった問題もあります。

SNSの情報は、必ずしも信頼できるとは限らないため、
真偽の見極めが必要です。

❌ ④ 極端な発信が多い構造

SNSでは、極端な感情（喜び・怒り・悲しみ）が反応を得やすい特徴があります。

つまり、

🔹 とても幸せな投稿 → いいねが集まる
🔹 とても不満な投稿 → 共感が集まる

一方で、

🟡 ごく普通の幸せや安定した日常 → 誰も投稿しない

というバイアスが生まれます。

結果として、SNS上では
「幸福か不満か」の二極化した婚活描写 が目立ってしまうのです。

🧠 第4章｜婚活垢をうまく使いこなすための戦略

✔ 戦略①｜目的を明確にする

婚活垢を始めるなら、まず

「何を得たいのか？」
「誰のために発信するのか？」

を明確にしておきます。

例）
✔ 思考整理のため
✔ 仲間と共感するため
✔ 婚活戦略を発信するため

目的設定により、投稿内容のブレを防げます。

✔ 戦略②｜発信は「結果・数字・学び」にフォーカス

感情だけを発信するのではなく、

🟢 行動したこと
🟢 学んだこと
🟢 得た気づき

にフォーカスすると、情報として有益になりやすいです。

✔ 戦略③｜SNSは“点”として使う

婚活垢は婚活の主戦場ではなく、
補完的なツールだと理解してください。

例）
✔ 行動の振り返り
✔ 仲間との交流
✔ 情報のインプット

など、SNSはあくまで“補助役”として使い、
結婚相談所やリアルな活動と併用するのが理想です。

✔ 戦略④｜いいねで価値を測らない

SNSの反応はあくまで“表層的な反応”です。
それに価値を見出すのではなく、

✔ 自分の成長
✔ 出会いの質
✔ 行動の改善

といった“本質的価値”を基準にすることが重要です。

🧩 第5章｜婚活垢と心理的な側面

🔹 承認欲求と自己顕示欲の関係

SNSは脳の報酬系を刺激するように設計されています。
「いいね」「コメント」が多いと、脳は報酬を感じやすくなります。

これが

✔ 自分をよく見せたい
✔ 多くの反応を得たい

という心理につながり、それが婚活垢の発信動機になることもあります。

しかし、これが強くなると婚活そのものより、
反応を得ることが目的化してしまうリスクがあります。

🔹 中間層・“普通の幸せ層”は発信しない

極端に幸せな人、不満が溜まっている人はSNSで発信しやすい傾向がありますが、
「普通に上手くいっている人・穏やかに幸せな人」は基本的に発信しません。

そのため、SNS上の婚活像は

📈 成功・猛烈に幸せ
📉 不満・辛い婚活

という二極化した描写になりやすいのです。

これはSNSのアルゴリズムが“反応”重視であることと一致します。

💡 第6章｜ななほし結婚相談所が考える婚活垢との付き合い方

🔹 SNSはツールであり“現実の活動”ではない

ななほし結婚相談所では、婚活垢はあくまで

「補完的なツールに過ぎない」

と考えています。
なぜなら、婚活はリアルな出会いと行動の積み重ねであり、SNSの反応は補助的な価値しか持たないからです。

🔹 失敗例ではなく学びをシェアする

婚活垢を運用するなら、

✔ 自分の行動
✔ 学んだこと
✔ 成功・失敗の要因整理

にフォーカスすると、他者にも価値ある情報発信になります。
これこそが、婚活垢を“戦略的に使う”ということです。

🔹 発信者になる前に“自分の基準”を持つ

SNSは意見が溢れていますが、
自分の価値観・結婚観・婚活戦略を明確に持つことで、情報の取捨選択ができます。

発信する際も、

「自分はこう考える」
「こういう行動をした」
「こういう学びを得た」

という形で価値を提供することを推奨します。

🔍 第7章｜婚活垢でよくある質問（FAQ）

Q｜婚活垢って本当に役に立つの？

A｜役に立つ情報や仲間は得られます。ただし、全ての情報が正しいとは限らないため、真偽の見極めが必要です。

Q｜婚活垢を始めていいですか？

A｜目的を明確にした上で、振り返りや学びを投稿するなら有効です。反応（いいね）を目的にすると不安を強化することもあります。

Q｜SNSで落ち込むようになってきた…

A｜SNS疲れ・比較思考が強くなることはあります。休む・距離を置く・リアルな活動にフォーカスすると回復します。

🧠 第8章｜結論：婚活垢は“使いこなすべきツール”

婚活垢は婚活のプロセスを共有したり、仲間と共感したりする上で有効なツールです。
しかし、SNSの性質上

✔ 比較思考を助長
✔ 承認欲求を刺激
✔ 極端な発信が目立つ

という側面があります。

これを理解した上で、

📌 目的を明確に
📌 自分基準を持つ
📌 情報の真偽を検証
📌 行動に繋げる情報だけを取り入れる

という態度で使えば、婚活垢は婚活を加速させ、かつ孤独感を軽減する良いツールになります。