【執筆者】ななほし結婚相談所 代表　柳原 直弥
📘 婚前契約とは？なぜ必要なのか

結婚は人生最大級の意思決定です。
「好き」という気持ちだけで結婚に踏み切れていた時代とは異なり、現代はお互いの価値観・人生設計・家族観・金銭感覚を最初からすり合わせることが不可欠になっています。

しかし、これらの重要な項目を結婚後まで曖昧なままにしている夫婦は少なくありません。

そこで注目されているのが 婚前契約（プレナップ） です。
婚前契約とは、結婚前に夫婦としての設計（役割・価値観・お金など）を言語化し合意する取り組みです。

ななほし結婚相談所では、この婚前契約を婚活プロセスの一部として推奨しており、婚活段階から安心できる結婚生活の基盤をつくることが、成婚率や幸せな結婚生活に直結すると考えています。

🔹 婚前契約って何？

婚前契約とは、結婚前に夫婦としてのルールや価値観、生活設計の基盤を明確にするための合意文書です。

具体的には、

• 家計・財産の扱い

• 収入・支出の管理方法

• 仕事と家庭のバランス

• 子育て・教育の方針

• 介護や家族との関係性

• 退職金・資産の扱い

など、その後の生活で起こりうる不一致要素を事前に擦り合わせておくことが目的です。

これにより、曖昧さからくるストレスや衝突を大幅に減らすことができます。

🔹 ななほし結婚相談所が婚前契約を推奨する背景

現場で多くの成婚者を見てきて、次のような課題を何度も目の当たりにしてきました。

• 「お金の管理で揉めた」

• 「子どもの教育方針で不満が出た」

• 「結婚後の家事分担でずれが起きた」

• 「親との関係で葛藤が生じた」

こうした結婚後の“生活課題”は、実は事前に少し話し合うだけでかなりの部分が回避できます。

安心して結婚生活を始めたいなら、結婚前に話すべきことを話す仕組みが必要と、ななほし結婚相談所では考えています。

📌 第2章｜婚前契約が育む「安心結婚」

🔹 安心結婚とは何か？

安心結婚とは、「結婚生活に対する不安が少なく、信頼感を土台にした結婚」です。
感情だけではなく、共通の未来設計があるかどうかが鍵になります。

婚前契約は、安心結婚を手に入れるための土台作りです。

🔹 婚前契約で得られる安心感の種類

✔ ① 経済の安心

• お金の管理方法が明確

• 将来の貯蓄・支出計画が共有

• 投資・保険・老後資金の考え方が一致

これにより、最も摩擦が起きやすい「お金の不安」を軽減できます。

✔ ② 生活設計の安心

• 家事分担

• 休日の過ごし方

• 子どもの有無や教育方針

これらを前もって擦り合わせることで、結婚後のミスマッチを予防します。

✔ ③ 親族対応の安心

• 親との距離感

• 介護方針

• 年末年始の過ごし方

• 家族イベントの運用

結婚生活は夫婦だけでは完結しません。
周囲との関係性も予め言語化しておくことが、安心感につながります。

📍 第3章｜婚前契約で決めるべき主要項目

ななほし結婚相談所では、婚前契約で話し合うべき項目を次のように整理しています。

① 家計・財産の扱い

結婚を機に、共同財産になるもの・個別財産の線引きを明確にしておくことが大切です。

✔ 家計の口座
✔ 貯蓄ルール
✔ 投資・保険の方針
✔ 大きな買い物の決め方

これにより、結婚後の「思わぬすれ違い」を未然に防げます。

② 家事・育児の分担

言葉では「協力する」と言っても、具体的にどう協力するかは意外と話し合う機会がありません。

例えば：

• 料理は誰が担当？

• 平日の家事ルーティン

• 子育てのメイン担当

これを契約レベルで擦り合わせることが、 結婚生活の健全性を高めます。

③ 将来設計と優先順位

• 子どもは欲しいか？

• 転勤や移住はありか？

• 仕事優先の時期と家庭優先の時期

このような価値観を一緒に設計することで、
お互いが「どの方向を向いているか」を共有できます。

🧠 第4章｜婚前契約が必ずしも法的拘束力を持つとは限らない

🔹 婚前契約の法的な位置づけ（日本の現実）

婚前契約は、感情や心理を整えるためには非常に有効ですが、必ずしも裁判所で強制執行される法的効力を持つとは限らない点は注意が必要です。

ななほし結婚相談所としては、法的拘束力の有無よりも、

✔ 価値観を言語化すること
✔ 互いの理解を深めること
✔ 合意事項を明確にすること

こそが安心婚生活につながると考えています。

📈 第5章｜ななほし結婚相談所が推奨する婚前契約の進め方

Step1｜価値観の可視化

専門カウンセラーと一緒に、

🟢 生活優先順位
🟢 価値観のズレ
🟢 将来ビジョン

を可視化し、文書化の準備をします。

Step2｜夫婦としての基盤設計

以下を中心に話し合います：

• 家計・貯蓄

• 子育て

• 親族対応

• 転勤・移住

ここを曖昧にしないことが、安心結婚の鍵です。

Step3｜合意事項の文書化

合意事項は言葉だけでなく、文書に落とし込むことで効果が高まります。
これは法的強制力ではなく、心理的な安心感を高めるツールとして機能します。

💡 第6章｜婚前契約で失敗しないための注意点

⚠ 注意点①｜契約条項を押し付けない

婚前契約は、相手を縛る罠にしてはいけません。
合意は“対話の積み重ね”として設計されるべきで、強制ではなく共通理解として扱うことが大切です。

⚠ 注意点②｜価値観の違いを否定しない

夫婦間で価値観が違うことは悪ではありません。
大切なのは 違いを理解し、調和点を見つけるプロセスです。

🧩 第7章｜ななほし結婚相談所としての婚前契約への考え方

ななほし結婚相談所では、婚前契約を以下のように考えています：

🔹 安全な結婚生活を“設計する”行為

婚前契約は、単なる文書ではなく、

「お互いの不安を取り除き、
結婚後の摩擦を最小化する“安心設計”」

として位置づけています。

🔹 婚活の最終地点を結婚後まで描く

婚活は単に「出会うこと」や「結婚式を挙げること」が目的ではありません。
結婚後の生活で幸せを感じられるかどうかが真のゴールです。
ななほし結婚相談所は、このゴールにたどり着くためのロードマップ設計ツールとして婚前契約を位置づけています。

🔹 婚前契約を通じた“価値観の見える化”

婚前契約の最大の価値は、

✔ 曖昧な価値観を具体化する
✔ 互いにとっての安心要素を再確認する
✔ 未来への共通言語を作る

という点です。

これは単なる契約文書ではなく、
夫婦としての共通設計図としての役割を持ちます。

🔹 婚前契約を相談所が支援する意味

ななほし結婚相談所は、婚前契約を一方的に押し付けるのではなく、

🔸 互いの話し合いを促進し
🔸 合意プロセスを伴走し
🔸 不安やズレをプロ視点で整理

するサポートとして位置づけています。
これが中立的な第三者支援の価値です。

❓ 第8章｜よくある質問（FAQ）

Q｜婚前契約は裁判で効力があるの？
A｜日本の法律では婚前契約そのものが直接法的強制力を持つとは限りません。ただし、合意を文書化すること自体が夫婦間の共通認識として強力に機能します。

Q｜なぜ結婚相談所で婚前契約をすすめるの？
A｜結婚相談所は結婚への意思と価値観を整理する場所だからです。婚前契約はその延長線上にあり、早い段階で共有することで安心感を増します。

Q｜婚前契約は必ず必要？
A｜必ずではありませんが、結婚生活の摩擦を事前に減らしたい、安心して暮らしたいと考えるカップルには非常に有効です。

🧭 第9章｜婚前契約を取り入れた結婚生活設計の進め方

Step1｜価値観の整理と優先順位付け

まず、自分自身の価値観を整理し、夫婦として何を大切にしたいかを明確にします。

Step2｜未来像の共有

結婚後の暮らし方やライフステージの設計を話し合います。

Step3｜合意事項の整理

生活設計・財産・家族観など、共通認識として言語化します。

Step4｜文書化

話し合った内容を文書に落とし込み、安心できる形にします。

Step5｜結婚後フォロー

結婚後も定期的な振り返りや価値観共有の時間を持つことを推奨します。

🏁 最終まとめ

婚前契約は、単なる事前の“合意書”ではなく、
安心して結婚生活を設計するための対話と合意のプロセスそのものです。

ななほし結婚相談所では、婚前契約を

✔ 安心感の基盤
✔ 結婚生活の設計図
✔ 価値観の共有プロセス

として位置づけ、婚活の早い段階から推奨しています。

結婚は終着点ではなく、“共に生きるスタート地点”です。
だからこそ、婚前契約という安心設計を持って、
幸せな未来を確かなものにしていきましょう。