【執筆】ななほし結婚相談所 代表カウンセラー 柳原直弥

「就職氷河期世代」と呼ばれる40代・50代の方々。
彼らは社会に出た頃、思うように仕事が得られず、不安定なキャリアを歩んできた人も少なくありません。
その影響で、結婚や出産を先送りにしたまま気づけば40代、50代になっていたというケースは、私の相談所でも珍しくありません。

一方で、「もう遅いのでは？」という不安を抱えながらも婚活を始める方が、近年急増しています。
しかし現実は、同年代婚は難しく、条件に合う相手が少ないのも事実です。

この記事では、

氷河期世代が婚活で直面する現実

成功する人と失敗する人の違い

40代・50代が幸せをつかむための婚活戦略
を、具体的に解説していきます。

1. 結婚が遅れた背景

氷河期世代は、社会に出た頃に「正社員の求人がほとんどない」という環境に直面しました。
非正規雇用で働き続けるうちに生活が安定せず、結婚を考える余裕がなかった人は多いです。

ある40代男性はこう話してくれました。

「20代の頃は結婚なんて夢のまた夢でした。収入が少なすぎて、デート代も出せない状態でしたから」

こうした背景が「婚活を始めるのが遅れた」理由につながっています。

2. 婚活市場での立ち位置

婚活市場では、どうしても「年齢」が大きく影響します。
特に女性の場合は「出産可能年齢」が注目されるため、40代後半以降の婚活は厳しさを増します。
一方、男性も「年収や安定性」が不足していると、若い女性からの需要は減少します。

3. 「普通の結婚」が難しくなる現実

よくあるのが「同年代の相手と結婚したい」という希望。
しかし40代・50代女性の場合、相手も同じ世代の男性になりますが、多くはすでに結婚歴があるか、結婚を望まない人も多いのです。
そのため「普通の結婚」を求めると、マッチングが成立しにくくなります。

1. 条件を変えられない

「年収500万以上、未婚、同年代」
こうした条件を頑なに譲らない方は、出会いがほとんどありません。
氷河期世代の婚活では「柔軟な条件設定」が成功のカギです。

2. 過去の挫折を引きずる

キャリアや恋愛の失敗を引きずり、

「自分なんてどうせダメだ」
と卑屈になってしまう方も多いです。
しかし、この姿勢はプロフィールや会話にも滲み出てしまい、マイナス印象を与えます。

3. 努力を避ける

「年齢を考えたら仕方ない」
と現状を言い訳にし、外見・コミュニケーションの改善を怠る方もいます。
辛口で言えば、努力を放棄しては結婚相談所に入っても結果は出ません。

1. 柔軟な条件を持っている

成功する人に共通しているのは、条件に柔軟性があることです。

例えば、ある50代男性は最初「未婚の女性限定」と考えていましたが、アドバイスを受けて「再婚希望の女性」も対象にしました。
すると、同じ価値観を持つ女性とすぐに出会い、半年以内に結婚が決まりました。

条件を狭めすぎると可能性を潰してしまう。
反対に「大切なのは今後の生活を一緒に築けるか」という視点を持つ人は、チャンスが広がります。

2. 過去より未来を語れる

氷河期世代の方には「自分の人生を語ると暗くなる」という傾向があります。

「正社員になれなかった」
「恋愛経験がない」

こうした事実は受け入れつつも、未来をどう築きたいかを語れる人は魅力的です。

「これからの人生は、穏やかに過ごしたい」
「小さな庭付きの家で家庭を築きたい」

このように未来志向の言葉を使う人ほど、相手に安心感を与えます。

3. 見た目に気を遣っている

正直に言います。40代・50代の婚活は、第一印象で差が出やすいです。
スーツがヨレヨレ、髪型に清潔感がない、体型が崩れている…。
これらはすぐに「結婚相手としては無理」と判断されてしまいます。

逆に、身だしなみに気を遣うだけで「年齢より若く見える」と印象が好転することも多いです。

戦略1：同世代にこだわらない

40代女性が50代男性と結婚する、または50代男性が40代女性と結婚するケースは多いです。
つまり「年齢差婚」を前提にした方が成功の可能性は高まります。

戦略2：生活の安定を強調する

氷河期世代の方は「収入が少ないから不利」と思いがちですが、それだけではありません。
安定した生活リズムや、堅実なライフスタイルをアピールすることで、安心感を与えられます。

「贅沢はできないけれど、堅実に暮らしています」
「趣味も家庭的なもので、一緒に楽しめます」

こうした強みを言語化することが大切です。

戦略3：再婚希望者とのマッチングを視野に入れる

40代・50代では、再婚希望の方の割合が増えます。
「バツイチは無理」と考えると、出会いの幅は極端に狭くなります。
むしろ再婚希望者は「次こそ幸せになりたい」という覚悟を持っていることも多く、安定した関係を築ける可能性があります。

戦略4：サポートをフル活用する

結婚相談所の強みは「客観的なアドバイス」です。
特に氷河期世代は「自分は結婚できない」と思い込んでいる人が多いため、カウンセラーのサポートが大きな助けになります。

課題1：相手からの需要が少ない

婚活の場では、どうしても「若さ」や「収入の高さ」が重視されます。
そのため40代・50代の方は「なかなか申し込みが来ない」という現実に直面します。

しかし解決策はあります。
「需要が少ない＝誰にも選ばれない」ではありません。
むしろ、結婚相談所では「真剣に結婚を望む人」が集まるため、同世代の相手や年齢差を受け入れる相手と出会える可能性は十分にあります。

課題2：高望みから抜け出せない

例えば、

• 40代男性が「20代女性がいい」と希望する

• 50代女性が「未婚で年収600万以上」を求める

このような条件設定をしてしまうと、現実とのギャップで出会いがゼロになります。

解決策は「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を整理すること。
たとえば「年収よりも誠実さ」「年齢よりも価値観の一致」に重点を置くことで、実現可能な出会いに変わります。

課題3：過去に縛られている

氷河期世代の中には、恋愛経験が少ない方や、長く独身でいた方もいます。
そのため「今さら恋愛できるのか」「会話が苦手」と不安を抱えがちです。

ここで大切なのは「婚活＝恋愛」ではないという視点です。
恋愛経験が少なくても、結婚相談所のサポートを受ければ「結婚生活を前提とした出会い」に直結できます。
会話の練習や模擬デートを重ねることで、不安は確実に減らせます。

課題4：体力・気力の低下

40代・50代になると、20代のような体力も気力もありません。

「婚活に時間をかけるのがつらい」
「仕事と婚活を両立できない」

このように感じる人も多いです。

解決策は「効率的な婚活」を選ぶこと。
結婚相談所では、プロフィール検索やAI推薦で効率的に相手を見つける仕組みがあります。
また「おまかせサポート」を活用すれば、カウンセラーが条件に合う相手を紹介してくれるため、無駄な消耗を防げます。

第6章：氷河期世代が婚活を始めるベストなタイミング

「もう遅いのでは？」とよく相談を受けます。
結論から言えば、今が一番早いタイミングです。

例えば、50歳で婚活を始めた場合、相手に求められる条件は40代よりさらに狭まります。
40代の今始めるのと、50代になってから始めるのとでは、出会える確率に大きな差が出ます。

結婚は「いつかしたい」ではなく「今から動く」ことが最も重要です。

第7章：氷河期世代が幸せをつかむための心構え

1. 「比較」ではなく「自分の幸せ」を見る

氷河期世代の方に多いのは、同世代や後輩と自分を比べて落ち込んでしまうことです。

「同じ年齢の同級生は子どもが高校生なのに、自分はまだ独身…」
「後輩が先に結婚して家を建てているのを見ると、惨めになる」

このような比較をしても答えは出ません。
婚活に必要なのは「人と比べる幸せ」ではなく「自分にとっての幸せ」を見つけることです。

2. 「第二の人生」を築く意識

結婚は20代だけのものではありません。
40代・50代で結婚する人は「第二の人生を一緒に歩むパートナー」を探しています。

例えば、40代後半で成婚された女性はこう話していました。

「20代の頃のように“ときめき”を求めるのではなく、安心できる人と一緒にいることを優先しました」

この視点の転換が、氷河期世代の婚活には不可欠です。

3. 諦めずに続ける粘り強さ

婚活は、思ったより時間がかかるものです。
特に40代・50代は出会いの母数が少ないため、結果が出るまでに半年〜1年は必要なケースも珍しくありません。

しかし、そこで諦めてしまうと結婚は遠のきます。
続ける人ほどチャンスを掴みやすく、実際に「もう無理だと思った矢先に出会いがあった」という事例も少なくありません。

4. 「助けを借りる」ことをためらわない

氷河期世代の方は「自分でなんとかしなければ」と思い込みがちです。
しかし婚活は、一人で抱え込むより、プロの力を借りる方が確実に成果につながります。

結婚相談所では、プロフィール作成から相手紹介、交際サポートまで一貫して支援します。
「第三者の目」を取り入れることで、自分では気づかなかった改善点が見えてきます。

まとめ：氷河期世代の婚活は「まだ遅くない」

氷河期世代は、就職や恋愛で厳しい時代を生きてきました。
その結果、婚活を始めるのが遅れた方も多いでしょう。
しかし、条件を柔軟にし、未来志向で取り組めば、40代・50代からでも結婚は十分に可能です。

むしろ、人生経験を積んだからこそ築ける「安定した結婚」があるのです。
ななほし結婚相談所でも、40代・50代で成婚を果たした方は多数います。

「今から始めても遅いのでは？」
と迷っている方へ。
その一歩を踏み出した瞬間から、未来は変わり始めます。